2010/04/06

ハーバード大学白熱教室

NHK 日曜日18:00〜
頭の悪いトレンディ謎解きドラマよりも へたなサスペンスドラマよりも
だるい政治討論よりも 絶対に面白い

テーマ自体は ほとんど誰でも理解できる
けれど答えを出せと言われると多くの人が困るであろう
「正義とは?」のような哲学的命題
それをハーバード大学の授業で取り上げる
世界最高の教授と世界最高の学生さんたちが
話し合うとこうなるのかと そのやりとりに鳥肌が立つ

思えばあるテーマについてちゃんと議論するのってけっこう難しい
多くの人はなかなかテーマとまっすぐに向かい合えない
「答えなど最初から決まってる、それを話し合う意味などない」と、話し合いの席に着かない人
「答えなどない、人それぞれに決まってる」と、これまた話し合いの席に着かない人
「だからお前はダメなんだ」と、相手の性格や人格を攻撃しテーマ自体の話し合いを忘れてしまう人
「問題自体に欠陥がある」と、テーマの上に立ってやり過ごそうとする人
あるいはそれらの複合型

べつに議論を潰したいわけじゃなくても
議論ってなんなのか、なぜ議論するのかが分かっておらず、ある程度の経験がないと
本筋を維持すること自体が難しいからそうなってしまう

けれどハーバードの学生さんは当然、そんなことはない
甲であるか乙であるか、どちらかの立場に立ち
的確に理論を組み立てて「簡潔に」(ここ重要)自分の意見を述べる
教授はその意見の「穴」に対し厳しい問いかけをする
すると学生さんはその場で理論を組み立て直し、再度意見を述べる
自分の意見はなぜ正しいのか、なぜそう思うのかを述べる
当然全員が必ずしも的確に答え切れているわけではないが
やはりその姿勢にしびれる憧れる

けれど、本当に重要なのは、それだけではない
そこには「教授の問いかけを正しく理解する」という力が働いている
決して的外れな意見は述べないし、噛み合ない話もしない
ボクシングで言えばクリンチのないクリーンヒットだけの打ち合いよけ合い

自分が政治討論番組を嫌いで少し見てもすぐやめてしまうのは
パネリストたちに「聞く姿勢」があんまり見られないからだ
そして一旦自分が意見を述べる番になるとやたらと長い(まあ人のことは言えないが)
長いから誰かが途中で遮ってわあわあなる んでなんかたまに爆笑がおこったりする
確かに一瞬で相手の話を理解しているのかもしれない
だが進行自体はマイクの取り合い遮り合いぶつけ合い
だから全然高度に見えない

何を問われているかが理解できれていれば
意見を述べる時、自分が何を述べるべきか
逆に何を述べる必要がないかを考えられる
だから発言は簡潔になる 問いが理解できてないから話が冗長になる

日本の裁判員制度は始まったばかり
成人の誰しもが、誰かを裁く議論の場で意見を述べる可能性を持っている
「ハーバード白熱教室」は、日本人全員が必須で見ておくべき番組ではないかとすら思う
授業って、話し合うって、世界最高レベルではこうなるのかと見ておくべき

でもさあなんで日曜6時?
娘のいる我が家ではその時間は絶対ちびまる子ちゃんとサザエさんに変えられちゃうじゃん!

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