昼下がり、風呂屋に行き、
露天風呂の中でぼんやりと空を見てた。
快晴で、雲も何にもなくて、
ただ見てる間に、青から淡い緑色、そして黄色オレンジ色へと変わっていくのが分かった。
あっちへ落ちていったらどうなるだろう。
そんな話を見たことがある気もする。星新一か、筒井康隆の短編で。
地面が天井で、空が下で、その事に気づいた自分だけが落ちていく。
今日は雲も何も遮るものがないから、落ちたらあっという間に、地面が遠ざかって、
自分の全方位は何もない空になって、どっちに向かって落ちているのかもわからなくなって。
地面はそのうち地球になって丸く遠ざかって、
でも周囲は宇宙にならず、抜けるような快晴のままオレンジ色を増し、
巨大な夕暮れの中で、米粒より小さくなりながら遠ざかっていく自分を誰かの視点で見送って…
そう言えば、知らない街で迷って戻れなくなる夢を良く見るけど、
調べてみたらそれは人生に対する迷いの現れだとか書いてあった気がする。
この空想もそれと似たようなものか。
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